グラフェンプラットフォーム株式会社は、X線分析・検査装置メーカーの株式会社リガク(本社:東京都昭島市 社長 志村晶)の新製品 「GG Index(Graphene/Graphite Index)」 について、グラフェンサンプルの提供や技術協力を行いました。
これに伴い、GG Indexの技術資料が公開されておりますので、ご参照ください。
- 2018年10月3日(水) 株式会社リガク 製品/技術より 一部抜粋 -
GG Indexは、黒鉛系炭素材料の特定・同定を行うための分析ツールである。 | |
測定対象物: | 黒鉛系炭素素材(以下の材料・素材を含む。) 天然黒鉛、人造黒鉛、石油または石炭の派生物から生成されるカーボンブラックなどの 炭素材料、膨張黒鉛、酸化黒鉛/酸化グラフェン、グラフェン中間体、グラフェン など |
対象システム: | 全自動多目的X線回折装置 SmartLab 9kW |
黒鉛の発見やその産業利用の歴史は、18世紀半ばから19世紀にかけて起こった第一次産業革命より200年以上古い16世紀に遡ります。鉛筆の芯や耐火物質などから始まり、近年では原子力などのハイテク分野まで広範囲にわたっています。現在も年間120万トン以上生産されており需要は増加傾向にあります。
資源として特筆すべき点は、世界中のほとんどの地域に存在し、確認されているだけでも需要の数百年分以上の埋蔵量があることです。ほぼ無限に存在すると言っても過言ではありません。世界中に広く存在し安価な黒鉛ですが、この黒鉛を薄く剥がして分離すると、「鋼鉄の1000倍強く、金属の10~100倍の電気・熱伝導性を持ち、地球上で最も薄く・軽く、柔軟な物質」という驚くべき夢の素材「グラフェン」に変化することが2004年に発見され、世界中に衝撃を与えました。そして、この発見に対して2010年にはノーベル物理学賞が与えられました。
グラフェンを使用すると、様々な分野で革新的な素材や製品を生み出せる可能性があるため、世界各国・各研究機関・企業が、ほとんどあらゆる産業分野においてグラフェンの実用化のための研究・開発を行い、ここ数年においては、電子製品、音響製品、日用製品、タイヤ、ゴルフボール、スポーツ用ウエアやシューズなど、グラフェンを強度の向上や伝導性の向上に適用・利用した製品が次々に世に出てきています。
しかしながら、黒鉛やグラフェンには、科学的・定量的にそれらの同定・特定できるための確立した測定方法、分析方法、定義、そのための標準などが無く、電子顕微鏡による形状観察や、ラマン分光による表層観察、気体の吸収による比表面積測定などの方法で、限定的、主観的、推測的に評価られるのみでした。今回ここに提供そる黒鉛・グラフェン分析インデックス「Graphite/Graphene Index; GG Index」は、黒鉛やこれらをベースとしたグラフェン中間体、そしてグラフェンまでを一括して網羅的に同定・特定し、これらに関するすべての研究や開発の効率を大幅に高めることを目的としています。さらには黒鉛やグラフェンをベースとした画期的な新製品の開発が促進されることを期待しています。
-以下省略(全文は下記のURLを参照してください。)-
https://www.rigaku.com/sites/default/files/rc/appbyte/xrd/GG%20Index.pdf